黄銅(おうどう)は、銅と亜鉛との合金で、特に亜鉛が20%以上のものを言います。加工しやすいので工業材料などとして幅広く用いられています。俗に、真鍮(しんちゅう)と呼ばれることも多い。
銅と亜鉛の割合によって、六四黄銅、七三黄銅と呼ばれ、六四黄銅では黄金色に近い黄色を示しますが、亜鉛の割合が多くなるにつれて色が薄くなり、少なくなるにつれて赤みを帯びます。亜鉛が20%未満の赤みの強いものは丹銅とよばれる。一般に亜鉛の割合が増すごとに硬度を増しますが、もろさも増すため、45%以上では実用にはなりません。
その他にも、被削性を高めるために鉛を添加した快削黄銅や、錫を添加し耐海水性を高めたネーバル黄銅などがあります。
現在発行されている5円硬貨もこの素材で、また、金に似た美しい黄色の光沢を放つことから金の代用品にもされ、日本では仏具などに多用されています。